とある起業家の岐路

本日ある起業家とのセッションを実施いたしました。
その方は昨年会社を退職し、起業されました。
今年はご自身のサービスを本格的に売り出していく、そんな最中、行きたかった会社からお声がかかったとのこと。
以前よりセッションをことあるごとにご利用くださっていたので、今回思い切って私からお声をかけさせていただきました。
「良かったらお考えを整理するために私にお手伝いさせていただけませんか?」と。
1時間のセッションの冒頭で、その人がおっしゃったのが次の言葉でした。
「私の選択肢は二つです。起業をこのまま続けるか、就職してペースを落としながら続けるか」
そこで私は思ったことをお伝えしました。
「いずれにしても、起業が軸でいらっしゃるんですね。」と。
それにご本人ははっとされ、自分の軸がよく見えたとおっしゃってくださいました。

この場合、見えている表面上の選択肢(時間やお金、経験やスキルなど)を議論することも可能でしょう。
でも、その方にとって本当に大切なことは何か、その部分を掬い取って鏡のように見せて差し上げること。
自分の中心軸が見えたとき、枝葉である条件はおのずと整理されます。

最後にその方が、友人の相談と、キャリアコンサルタントもしくはコーチへの相談は何が違うのだろう?でも明らかに違う、とおっしゃってくださいました。
そこで私が申し上げたのは、「自分のフレームをいかに外せるかが私たちの存在意義である」旨をお伝えいたしました。

とは言え、このフレームを外すというのがそう簡単なことではありません。
なぜなら、私たちはみんな自分のフレームという、外の世界を見る眼鏡を持っているものだからです。
自分のフレームを外し、その人のフレームで眺めて見ること。
理論を学んだり、多くの人を観察したり、またときには想像力を目いっぱい働かせたり。
人を理解するって、とっても大切ですが、非常に難しい。
自分自身を理解することも簡単ではありません。
でも、そんな自分を誰かが理解してくれて、見えていない部分に光を当ててくれたとしたらどうでしょう?
コーチングは「答えはクライアントさんが持っている」と言いますし、キャリアコンサルティングも「自律的な職業生活設計」を支援する役割を担います。
後ろ姿まで見える視野をいかに提供できるか?
まだまだ学ぶことはたくさんありますが、今後もクライアントさんのより良い人生にかかわっていきたいです。

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