対人サービスにかかわる方のための、「共感的理解」について

先日リリースした「顧客との関係を深めるカウンセリング的かかわり講座」を受講された方へ、「野生動物」を例に挙げて、「同感」「共感」について解説いたしました。
野生動物にエサを与える行為は、そこで暮らす動物の生態系に大きな影響を及ぼします。
動物自身が自然の中で自分で餌を探して生きていくということが出来なくなってしまうかもしれません。
他者を尊重するということは、これに近いのではないかと、私は考えます。
この「カウンセリング的かかわり講座」では、共感的理解をday2で扱います。
「共感」とは「同感」と異なります。
「同感」は、自分が相手の気持ちと同じであると思うことに対し、「共感」は、相手の世界に入り込み、相手の心的情景を「理解」することです。
厳密にいうと、相手の気持ちと全く同じということは無いわけですから、「共感」の方が相手の世界に入ろうとする時点で、それぞれが独立した存在であるという認識に立ちます。
カウンセリング的なかかわりの中で、苦しい相手の想いに触れたとき、「何とか助けてあげることはできないか?」と、気持ちが「同感」に走ってしまうことがあります。
これは、野生動物に対し「かわいいから」「かわいそうだから」というこちら側の一方的な考えで餌を与えてはいけないことに通じます。
生きるもの全てが苦しい中でも与えられた宿命の中で精いっぱい生きていることに、深い共感的理解を示すことが何より大切と考えます。
自分と他者との間に「尊厳」という線をしっかり引くことができるのか?
最近私は対人支援者としての在り方をそのように捉えています。
そのうえで、自分自身がその人を取り巻く環境や社会課題に対し、何が出来るのか?
そのような二段構えの捉え方を心に留めながら、様々な方々と向き合っています。

仕事ではやっと相手の尊厳のラインを引けるようになっても、プライベートでは上手くいかなかったり… 難しいですね。
でも、一緒に「共感的理解」を通じて対人サービス業における私たちの「在り方」を模索し続けませんか?

ご興味のある方は、先ずはお問合せフォームよりご連絡ください。
お待ちしております。

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夏に訪れた白川郷の風景。
野生動物といえば、各地で熊の被害が深刻化しています。
野生動物と人間がいかに自然を共有しながら生きていくことができるのか、難しい問題です。

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